「そんな状態で、リフォームなんかやめなさい」……また言われてしまった。
前回のリフォームの時も同じことを言われたのを思い出しました。
前回。2017年は、夫が再就職して間もないころ。
22年の介護の末に母を亡くして、会社が倒産して……苦労を重ねてようやく再就職できたものの、これまでとは畑違いの仕事。
家で暗い顔をしていることが増えた夫。なんとかしたいと思いました。
「リフォームせえへん?」
「そりゃ、したいけど。金は大丈夫なんか」
「なんとかする。デザインは好きに選んでいいよ」
「ほんまか!」
夫はうれしそうでした。
築13年目の中古マンションを買ったので、色々と不満はありました。
2010年に買った時に、ガスレンジフードとガスコンロは交換したのですが、認知症が進みはじめた義母を引き取るために買った家。
気になる部分はあったけれども、介護と義母の看取りで、リフォームどころではありませんでした。
2015年に義母が亡くなり、2017年に、ようやく風呂場をリフォームする決心をしました。
「エコリフォーム(住宅ストック循環支援事業)」の補助金をもらってリフォームをしました。
が……風呂とトイレと洗面所の工事で予算オーバー。
インテリアにこだわる夫に、金の糸目をつけずに、好きなようにデザインを選ばせると、そうなることはわかっていたんですが。
熱心にカタログを見たり、ショールームでサンプルに見入ったり。
生き生きとしている夫の姿を見るのが楽しかったのです。
このリフォームは、リフォームに関するインタビューを受ける仕事や、「注文住宅と補助金」の解説記事を書く仕事につながっていきましたが。
この時にキッチンのリフォームができなかったのが残念でした。
だんだん黄色に変色していくシミだらけの人工大理石の天板。
扉のついた使いにくいシンク下の収納。
毎日毎日、それを使わなければならないのはストレスでした。
特に問題だったのがレンジフードとガスレンジ。
2010年に入居した時に、ガスレンジとレンジフードは交換しているけれども、使用期限は2023年。
それほど悠長に構えてはいられない。
なんとか台所のリフォーム資金が貯まりはじめて……2020年。夫が倒れました。
こうなると、リフォームどころではなく、そのまま2年が経過。
2022年、夫の体調も安定したので、今こそリフォームを。
「旦那が病気なのに、そんな時にリフォームして、お金のムダづかいすることない」
そんなことも言われましたが、「そんな時」だからこそ、リフォームするのですよ。
夫の体調が悪くなる、私が倒れる……そんなことが起きる前にリフォームしないと、永久にチャンスが失われてしまう。
ガスレンジの換気扇もガスコンロも使えなくなってしまう。その前に。
「リフォームするよ」
「……ガスレンジ、なんとかせな、あかんよな」
「またデザインを選んでくれへんかな。あのホテルっぽい、しゃれたバスルームは特によかった」
「……そうか」
「100万円までは私が出す。それを超えた分は出してね」
「よっしゃ!」
夫は精力的にショールームを回って、相見積もりを取り、てきぱきとインテリアを決めていきました。
もともと、建築パースやインテリアコーディネーターを教えていた人ですから、最適なデザインを選んでくれました。
今回のリフォームには、「こども未来住宅支援事業」の補助金を活用。
今年度は新築もリフォームにも、さまざまな種類の補助金が出されています。
省エネ系の補助金制度は、これから多少内容が変わるものの、しばらくなくなることはないでしょう。
「今までと同じ壁とフローリング、とおっしゃられましても。2010年の建材は廃番で、同じものがありませんよ」
施工担当者を悩ませながらも、私たちが「今までと同じ内装」にこだわったのは、ウォールナット調の床と、少しベージュが混ざった白壁の組み合わせが好きだったからです。
それに、妙に奇抜な内装より、ベーシックな色合いの方が、最悪、マンションを売ったり、分譲貸しをする時にも、買い手や借り手がつきやすい。
ようやく似た色合いの床材と壁材を見つけて、システムキッチンの交換。
台所のフローリングと壁紙の貼り替え。
和室の畳替え工事。
築25年目のマンションですが、5日間のリフォームで、見違えるようにきれいになりました。
特にシステムキッチン。
夫が選んだのは、クリナップのシステムキッチン「ラクエラ」。
表面にエンボス加工したステンレスの天板と、白い大理石調の扉。
ウォールナット調のダークブランのフローリングに、あたたかみのある白い壁。
同じ面積なのに、以前より広く感じられるキッチンの空間。
「これ、かっこいいですね」
担当者が思わず声を上げたほどの出来で、夫も少し得意そう。
突然の病気で障害者になって、「俺、こんな体で生きとってもしゃあないわ」と、弱気なことを言っていた夫も、少しずつ自分でやれることが増えました。
これからも、夫と楽しいひとときを、できるだけ多く持ちたいと思っています。
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2022年12月16日
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