「70歳で定年?70まで働けるならラッキーじゃん」と思われた方も多いだろうが、「70まで働ける」のと「70まで同じ額の給料がもらえる」のとは別問題である。
同じ会社に勤めていても、60歳を超えると、給料が下がることは多い。
例えば、「高年齢雇用継続給付」という制度がある。
60歳の時の賃金を基準に、60歳以降の賃金が75%以下になると、雇用保険から、足りない分を補てんする制度。
……賃金低下率が75%〜61%までは、段階的に給付率が変わるが、最大値が61%。15%加算されても76%。
両方合わせても100%にならない。
つまり、「定年後は、そのまま働いていても7割の給料しかもらえない」ということになる。
日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳(2021年)。
「60歳以降生きている期間」は意外に長い。
60歳を過ぎて「老後資金が足りない」とあわてる人は、多くなりそうな気がする。
私は先日、57歳になった。
「ねんきん定期便」が届いて、自分の年金と夫の年金、生活費を概算して落ち込んだ。
とりあえず、今のうちに、もっと執筆の仕事をしなければ。
この本の著者は、年間100件以上の家計相談を受けるファイナンシャルプランナー。
定年になるまでに、どんな備えをしておけばいいか、具体的に書いている。
対策は「定年までの貯蓄額を決める」「住宅ローンの繰り上げ返済」「保険の見直し」「資産運用」で、これはセオリー通り。
ただし、この本は介護保険についてボリュームを割いている。
介護保険というと「要介護度」「使えるサービス」「平均的な必要金額」の話ばかりだが、介護保険は介護状態になっても介護保険料を払わなければならない。
義母の介護をしていた時に問題になっていた「サービスの自己負担額」についても具体的に書かれている。
家族が要介護状態になっても働き続けられるように、この方面のまとまった情報は需要があるような気がした。
『最新版 定年までに知らないとヤバイお金の話』 岡崎充輝 著 彩図社
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