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2023年05月12日

『「国の借金は問題ない」って本当ですか?』

令和5年の年度末に1068兆円……
数字が大きすぎて、よくわからない日本の巨額の債務。
『NHKニュース』の特集『どうなる?子ども・子育て支援 コロナ対策 防衛費 令和5年度予算』によると、令和5年度予算は110兆円を超えて、税収だけでは歳出を賄えず、新規の国債発行額は35兆6230億円。

とんでもないことになっている。

ところが、「国債は国の借金。赤字国債を発行し続ければ日本は破綻する」……その理論とは真逆の理論が登場した。
それが、マクロ経済学の「MMT (Modern Monetary Theory:現代貨幣理論)」。

著者の経済アナリスト、森永康平氏が説くMMT理論は、「自国通貨を発行できる国の借金は問題ない」「銀行がお金を生み出す」「税は財源ではない」「ハイパーインフレは起きない」

……確かに、これまでの金融の常識とは正反対だ。
本当にそうなのだろうか?

この本では、対話形式でMMT理論がわかりやすく説明しようと試みている。

日本銀行が「日本円」で国債を発行して、流通する「日本円」の分量をコントロールしているので「国の借金は問題ない」。
銀行が企業や個人にお金を貸した時に「預金」が発生するため「銀行がお金を生み出す」と言える。
財源は国債と税が半々。税には「所得の再分配」「景気の自動安定化」などの機能があり、「財源」と断言してはいけない。
日本銀行が貨幣を発行しすぎないかぎり「ハイパーインフレは起きない」。

仮定形の前提に仮定を重ねるMMT理論。
……読んでいるうちに、頭がこんがらがってきた。

しかし、ここで挫折するわけにはいかない。
意地になったFPは、なんとか最後まで読み終えたが、「MMT理論は、かなり限定された条件でしか成立しない理論じゃないのか」という気がした。

対話形式にし、イラストや表を多用しても、金融用語や金融の公式そのものが専門的なので、一般人が「国の借金は問題ないって本当かな?」と気軽に読みはじめてみても、咀嚼するのが難しい本かもしれない。

結局、国の借金は「問題ない」のか、本当のところは謎のままである。

『「国の借金は問題ない」って本当ですか?』 森永康平 著 技術評論社
ラベル:経済 お金 借金
posted by ゆか at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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