この数字は47年7か月ぶり。
1975年10月以来の高い水準だそうだ。
子どものころに経験した「オイルショック」「狂乱物価」の時代に似ている。
日本企業は賃上げに乗り出しているが、物価が上がるスピードの方が速い。
みんな必死で働いているのに。なんでこんなことになってるんだろう?
最近では、テレビのワイドショーでも「アメリカの利上げ」について語られるようになった。
日本は金利が低い。アメリカが利上げすると、ドルが買われて円安になり、輸入品が高くなるので物価が上がる……そんな論調だが、本当のところ、どうだろうか。
この本の著者は日本経済新聞の編集委員兼論説委員。
長年、国際情勢や金融分野で取材を続けてきた人。特にアメリカと日本の金融事情に詳しい。
この本では、アメリカFRBと日銀の政策を時系列で比較しているので、バブル期以降、日銀が何をしてきたかがわかりやすい。
日本経済は、輸出を妨げ、企業の業績に悪影響を与える円高を「悪」とみなしてきた。
そのため、日銀は円高を抑えようと長い間ゼロ金利政策を続けた。
アメリカやヨーロッパが、コロナ禍以降、アメリカやヨーロッパの銀行がインフレを抑制するために、利上げに動いたのに、日本だけが出遅れた。それが大幅な円安の引き金になった。
……なるほど。
1990年のバブル期。物価が上がっても、賃金が上がっていたから問題がなかったと記憶している。
30年前に比べると、支給される給料の額面は、変わっていないが、社会保険料が上がって、手取り収入は減っている。
しかも、1989年に導入された消費税が3%から10%になって、それが物の値段にも転嫁されている。
「生活が苦しいのは円安のせい」とは言いきれない。
ただ、いずれ日銀は利上げに踏み切らざるを得ないと思う。
企業の借入金の金利、個人の住宅ローン金利が上がることになるので、覚悟はしておかなければならない。
『インフレ・ニッポン』 大塚節雄 著 日経BP・日本経済新聞社
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