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2024年07月12日

年金の健康診断

いよいよ出てきました。ずっと気になってたんですよ。この問題。「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」。
5年に一度の「財政検証」。「公的年金は将来もらえなくなる」と、メディアで盛んに言われているけれども、実際、本当のところどうなんでしょう?

「わたしと年金」エッセイに応募する時に、日本年金機構が集めた年金保険料を委託しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用実績について調べてみました。
2022年度の収益額が2兆9,536円。……ええっと。これは「破綻する年金財政」なのかな?
むしろ国債を100兆円以上も発行している日本政府の方が、危なっかしい気がするけれども。

2023年度のGPIFの収益額は45兆4,153億円。運用資産額は245兆9,815億円。
国内株式の上昇分を含んでいるとしても……本当に年金がもらえなくなるのかなあ。

そこで、2024年7月3日に発表された「令和6(2024)年財政検証結果の概要」のPDFを確認しました。

現在、現役男子の平均手取り収入額が月に37.0万円。夫婦2人の平均年金収入が月22.6万円。
現役の時の収入の61.2%で暮らさなくてはなりません。
でも、今後年金受給者が増え、現役で働く世代の人口は減るので、年金は今より減る。
実際に、いくら減るのか厚生労働省がシミュレーションしています。

実質賃金上昇率1.5%の想定「成長型経済移行・継続ケース(57.6%)」。
賃金上昇率よりも運用利回りが低くなる「高成長実現ケース(56.9%)」。
「過去30年投影ケース(50.7%)」の3パターン。

一番よくないシミュレーションで現役世代の半額。うーん。これは厳しい。
しかし、最悪の予想がはっきりしたのなら、足りない金額を今調達すればいいんです。
今の状況を変えれば未来は変えられる。解決案は「たくさん稼ぐ」「節約してお金を貯める」「資産運用する」の3通り。

ちなみに、年金のルールを変えることで年金給付率がどう変わるかの試算も発表されてますね。

「被用者保険の更なる適用拡大」で、所定労働時間が週10時間で働いている人を全員厚生年金の被保険者にすると、「成長型経済移行・継続ケース」で現在と同じ61.2%。「過去30年投影ケース」で56.3%。
……現実的かもしれない。
国民年金の加入を60歳から65歳に引き上げると「成長型経済移行・継続ケース」で64.7%。「過去30年投影ケース」で57.3%。
……個人事業主から猛反発が起きそう。

現在、国民年金と厚生年金で別々になっている「マクロ経済スライド(賃金や物価上昇に連動して年金額が上がるしくみ)」の調整期間を同じ長さにした場合は「成長型経済移行・継続ケース」で現在と同じ61.2%。「過去30年投影ケース」で56.2%。
……国民年金のマクロ経済スライド調整期間を短くして、厚生年金のマクロ経済スライド調整期間を延ばすと、そういうことになるんですね。


「在職老齢年金制度(65歳以上の高齢者が一定以上賃金を得ると厚生年金の一部がカットされるしくみ)」を撤廃すると60.7%。
……減ってしまうのが意外。
現在65万円が上限の標準報酬月額を98万円に見直すと、厚生年金が0.5%増える。
……そもそも、標準報酬月額の上限って必要だったんでしょうか?

どの案も今よりも給付額が大幅に増える話ではありません。
「年金は今の収入の半分しか出ない」と想定して、老後豊かに暮らす方法を考えた方がよさそうです。

ラベル:年金 お金
posted by ゆか at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | お金のこと | 更新情報をチェックする
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