最近、年のせいか、物忘れがひどくなってきました。
「もしかして認知症じゃないか」と、自分で心配になるほどよく物を忘れます。
60年近く生きていて、いろいろなものを抱え込みすぎているから忘れるんじゃないか……
そんな気がして、最近では「持ち物」「情報」「金融資産」「人間関係」などを整理することに力を入れています。
来年の手帳(2024年10月はじまり)には、スケジュールのほかに日銀金融政策決定会合をはじめとする金融イベントや、その日使ったお金の金額などを書き込んでいますが、正直なところ、これを全部自分の頭で記憶しておける自信がありません。
手帳に書くのは「安心して忘れるため」だったりします。
ところが、先日、興味深い手帳情報を目にしました。
対認知症用の手帳として考案された茅ヶ崎市の株式会社ビークルの「おぼえている手帳」が、認知症患者と健常者の地域共生社会の実現を目指す経済産業省の事業「オレンジイノベーション・プロジェクト」に採用されたとのこと。
認知症患者の残存する記憶を保持するために開発された「おぼえている手帳」。
発案者は手帳評論家・舘神龍彦さん。
使い方は自分で書いた文章と撮った写真を付属のポケットに入れていくだけ。
毎日記録した写真と文章を本人が見返すことで記憶力の衰えを防ぎ、手帳を家族や介護関係者と共有することでコミュニケーションを円滑にする効果があります。
これは納得。
私も物忘れ型認知症の義母を介護していたので経験がありますが、ちょっとしたメモ書きがあるだけで、認知症の人も健常者もストレスなく暮らせます。
「おぼえている手帳」のサイズは12cm×21cm。
色は「ういろう」をイメージした「あずき」「さくら」「うぐいす」の3色。
表紙は高齢者にも親しみやすい右開き。
見開きページの左側に「日付」と「できごと」を記入するスペース。
右側にL版の写真が入るポケット。
縦でも横でも使えるように罫線も工夫されています。
さすがは手帳評論家の舘神さんが発案した手帳。配慮が行き届いている。
見開きで1日ずつ記録し続けると、20日分で手帳1冊になる仕様がユニークですね。
1冊2,500円はいいお値段ですが、認知症患者とのコミュニケーション用に「おぼえている手帳」を導入する介護施設も出てきています。
認知症患者でなくても、手帳に写真をスクラップブッキングしたい人にとっては便利かも。
「紙に書くこと」が集中力や記憶力を高める効果があると、科学的にも立証されているので、こういった取り組みは、今後も広がるでしょうね。
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