東京のプログラマーで合気道の茶帯(上級者)の方。
mixiで時事問題を中心とした「日記」(ブログのようなもの)をつけられていますが、記事も、コメントを入れられる皆様のご意見も、大変ハイレベルで、いつも勉強になっています。
ある時、「ブログの持ち主が死んだ後、ブログはどうなるのか?」という話題が出ました。
この場合、ある程度の期間は、ネット上にブログが残っているのですが、その後、閉鎖されてブログは消えてしまいます。
googleの「キャッシュ」機能を使って、ある程度、過去の情報を見ることができるそうですが。
最近では「インターネット・アーカイブ」が、ホームページだけでなく、ブログの保存を始めました……というお話。
思わず、「私もブログを書いていますが、それでは下手なことを書けませんね」と、やままさんの日記に書き込んでしまいました。
すると、予想外の答えが返ってきたのです。
「『ventus』のページなら、ありますよ」……えっ!
やままさんは、ご自分の日記に、インターネット・アーカイブの『ventus』ページへのリンクを張ってくださいました。
ありがとうございました。
『ウィキペディア』(2007.8.5 19:25)によると、Internet Archive(インターネット・アーカイブ)の設立は1996年。
カリフォルニア州サンフランシスコのプレシディオに本部があります。
アーカイブは、ある時点において収集されたウェブページのコピー(ウェブアーカイブ)や、ソフトウェア・映画・本・録音データ(バンド等の許可によるライブ公演の録音も含む)などを所蔵。
その資料を無償で研究者や歴史家などに提供。
アメリカ議会図書館やスミソニアン博物館などとも連携しているとのこと。
『我等の文化は現在電子形態での資料を大量に生産している。アーカイブの使命は、これらの電子資料の保存を支援し、研究者・歴史家・学界のためのインターネットライブラリを構築することにある』……『インターネット・アーカイブ』公式サイトには、そう書かれているそうです。
まだ、日本の図書館では、書籍を中心に資料を集めていますが、インターネット先進国のアメリカでは、すでに、こんなことに。
それにしても……なぜに『ventus』が?
所蔵されているページは、2006年1月15日、6月28日、11月9日、11月14日、11月27日、2007年1月19日。
現在のところ、これだけですが、収集してアーカイブに表示されるまで、かなりの時間がかかるので、実際は、どのぐらいの数のページが保存されるのか、予想もつきません。
でも、『ventus』の文章が、丸ごと保存されていなくて、ほっとしました。
……というのは、私はインターネット・アーカイブから、「あなたのブログ、保存するからね」とは、聞いていないからです。
確かに、私は「在野のレファレンサー」として、可能な限り公正で正確な情報を元に、コラムを書いていますから、「インターネット・アーカイブ収蔵」は名誉なことなのかもしれないけれど。
日本の著作権法上、『ventus』は私のものなのですが、アメリカの著作権法は日本の著作権法とは、かなり異なるようです。
アメリカ人が『ventus』をアメリカから見て、アメリカの著作権法をあてはめて、研究資料にするために、勝手にページを収集して、アメリカの研究者に無料提供している……
なんか、納得いかんなあ。
しかし、私も図書館に置いてある本を駆使して、調べ物をしたり文章を書いたりしているので、あまり文句を言える立場ではないのだけれど。
創作者としては「せめて、かかった資料代や交通費や知恵を絞って悩んだ労力分は、報酬をくださいね」というのが、ささやかな本音なのですが……。
私の経験では、出版業界の報酬は安く、しかも支払いが異常に遅い。
有名作家でも、テレビ出演や講演会で生計を立てざるを得ないという話を、聞いたことがあります。
振込予定日に入金できないと、翌日、取引先の経理課から「入金遅れています」と電話が入る堅気の世界に住んでいる私としては、今、物書き専業をめざすのは、ちょっと不安。
しかし、出版業界にも、「明朗な企業会計原則」の波が押し寄せるのも時間の問題ですから、いずれ「約束の期日に入金がある」世界になるでしょう。
話が脱線しましたが、インターネット・アーカイブ。
何を思って『ventus』の収集に乗り出したのか、『ventus』を、何の研究資料に使うのか……謎です。
しかも、英訳ソフトはあまりあてにならない。
例えば「ほんまかいな?」を「It is Honma worth?」と訳したりしてるし。
たぶん、「Is it truth?」あたりが正解ではないかと思うのですが。
(高校時代、英作文で赤点取ったりしているので、ちょっと自信がない)。
そんな状態で、ちゃんと研究できるのかしらん。
インターネット・アーカイブは、ネット上の資料を、なんでもかんでも集めているわけではないので、収蔵は名誉なことなのでしょうが……
何か、もやもやとした割り切れない気持ちが胸に残ります。
今後、ネット上のデジタルデータの収集保存の必要性、そのルールについては、日本図書館協会でも問題になると思うのですが。
日本版インターネット・アーカイブ。
はたして、どんな形になるのでしょうか。
ラベル:インターネット・アーカイブ