円安円高問題は主婦向けの情報番組でも取り上げられるメジャーな問題になった。
世界中で一番で流通量が多いアメリカの「ドル」。
ヨーロッパの共通通貨「ユーロ」。
日本の「円」。
現在、外国為替市場を動かしているのは、この3つの通貨だが、個人的には中国の「元」と各国で独自に発行されている「暗号資産」の動向が気になる。
この本の著者は三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員。
海外マクロ経済の専門家は「円」についてどう見ているのか。
著者があげている「基軸通貨」の条件は「その通貨を発行する国が圧倒的な国力(信用力)を持つこと」「通貨発行国で高度な金融市場が形成されていること」「その国の通貨の交換量が突出して多いこと」の3つ。
今のところ「基軸通貨」の3つの条件を全部満たしているのは「ドル」しかない。
著者は「円」は国力と流通量不足で「基軸通貨」になりえないと考えているようだ。
16〜17世紀のスペインの「ペソ」。
18〜20世紀初頭のイギリスの「ポンド」。
20世紀半ばから現在に至る「ドル」。
……次の「基軸通貨」は中国の「元」?
著者は「元」の欠点が「金融市場」を「流通量」にあるとしている。難しいものだな。
ちなみに、暗号資産については、以前、仕事で解説記事を書いていたとき「自分が投資するのは、まだ早いかなあ」と思った。
暗号資産は発行元の事情がそれぞれ違い、暗号資産同士の交換レートのルールがはっきりしていなかった。
つまり「圧倒的な国力」「高度な金融市場」「交換量」のどれもがまだ足りなかった。
しばらく「円」は「ドル」の動きに翻弄される。
安定した円預金と利回りのよい外貨預金(ドル)の両方の金融資産を持っている私は、為替のニュースを聞くたびに緊張する毎日が続くのだろうな。
『基軸通貨 ドルと円のゆくえを問い直す』 土田陽介 著 筑摩書房
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