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2024年12月13日

『基軸通貨 ドルと円のゆくえを問い直す』

私たちの生活にも関わる重要な問題にもなっている『ドルと円』。円高になれば輸入される食糧は安くなるが輸出企業の業績が悪化し、円安になれば企業の業績は上がるが、輸入品の値段が上がり生活が苦しくなる。
円安円高問題は主婦向けの情報番組でも取り上げられるメジャーな問題になった。

世界中で一番で流通量が多いアメリカの「ドル」。
ヨーロッパの共通通貨「ユーロ」。
日本の「円」。
現在、外国為替市場を動かしているのは、この3つの通貨だが、個人的には中国の「元」と各国で独自に発行されている「暗号資産」の動向が気になる。

この本の著者は三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員。
海外マクロ経済の専門家は「円」についてどう見ているのか。

著者があげている「基軸通貨」の条件は「その通貨を発行する国が圧倒的な国力(信用力)を持つこと」「通貨発行国で高度な金融市場が形成されていること」「その国の通貨の交換量が突出して多いこと」の3つ。
今のところ「基軸通貨」の3つの条件を全部満たしているのは「ドル」しかない。
著者は「円」は国力と流通量不足で「基軸通貨」になりえないと考えているようだ。

16〜17世紀のスペインの「ペソ」。
18〜20世紀初頭のイギリスの「ポンド」。
20世紀半ばから現在に至る「ドル」。
……次の「基軸通貨」は中国の「元」?

著者は「元」の欠点が「金融市場」を「流通量」にあるとしている。難しいものだな。
ちなみに、暗号資産については、以前、仕事で解説記事を書いていたとき「自分が投資するのは、まだ早いかなあ」と思った。
暗号資産は発行元の事情がそれぞれ違い、暗号資産同士の交換レートのルールがはっきりしていなかった。
つまり「圧倒的な国力」「高度な金融市場」「交換量」のどれもがまだ足りなかった。

しばらく「円」は「ドル」の動きに翻弄される。
安定した円預金と利回りのよい外貨預金(ドル)の両方の金融資産を持っている私は、為替のニュースを聞くたびに緊張する毎日が続くのだろうな。

『基軸通貨 ドルと円のゆくえを問い直す』 土田陽介 著 筑摩書房
ラベル:為替 お金
posted by ゆか at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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