2024年12月時点で登録者数が1000 万人を超えたスキマバイトサービス・タイミー。
今年は「働くこと」の意味が問われるような年になりそうだ。
この本の著者は、リクルートワークス研究所研究員。
厚生労働省で官庁エコノミストとして活躍した人。
ページをめくると、様々な官公庁の公式統計を使った表やグラフが現れた。
「これが客観的な事実なのか」と思うと暗澹とした気持ちになってくる。
これまでは「人が安すぎた時代」と著者はいう。
ではこれからはどうなるか。
企業は人件費単価の上昇についていくために人手を減らす選択に出る。
???
例えばスーパーのレジ係の時給は上がっている。
ただし同時にセルフレジが導入されて店員の数が減った。
これがすべての産業で進む。
この本では「建設」「運輸」「販売」「接客・調理」「医療」「介護」の6つの分野で起こることを予測している。
例えばスーパーでは全てがセルフレジになる。陳列作業はロボット、欠品の管理はAIカメラ。
では人は何をやっているんだろう?
著者は「AIカメラなどで収集したデータから、より顧客が迷わずに多くの商品を購入したくなる。売り場作りに取り組む」と予想しているが、これもAIにとって変わられる可能性が高い。
建設分野では重機を遠隔操作で動かし、運輸産業では幹線輸送から自動運転が普及する。
接客や調理ではIT化とセルフサービスで省力化。
医療は人間でなければいけないところとロボットで対応できるところがある。
介護は巡回や記録がICT化するが介助や介護は人間でないと難しい。
人間が残る業種と、無人に近い状態になる業種がはっきり分かれる時代の到来。
高騰する人件費が価格に反映されてインフレは続く。
一方、インフラの老朽化が社会問題になって、更新できない地方都市は滅ぶ。
それらを見据えて仕事や生活の場を選ばなくてはならない。
難しい時代になった。
『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』
坂本貴志 著 講談社現代新書
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