「あなたに突然ふりかかる!まさかの税金ランキング」
1位 相続税(亡くなった親が時価総額の高い資産を持っているとふりかかる)
2位 退職後の翌年の住民税(前年の退職前の所得税から計算した住民税が請求される)
3位 みなし贈与(親から子どもに一定額以上の金銭を援助した場合など)
……という話かと思っていたのだが、私の想像の斜め上をいく内容だった。
著者は青山学院大学名誉教授で元政府税制調査会専門委員。
税金関連の著作の多い人だ。
この本は2019年から2024年にかけて東京新聞で連載された『本音のコラム』に、現在の税金の情報を加筆したもの。
ちらっとページを開くと、びっしりと文字が並んでいて、図解やイラストはない。
税金のしくみについて丁寧に書いているが、バラバラの内容のコラムを寄せ集めた感じ。
どこから読めばいいのか悩んでいたら、冒頭の「はしがき」に『目次を見て気になる見出しを見つけたら、そこを読んでいただければいいのだよ』と書いてあった。
「インボイス」や「ふるさと納税」も気になるところだが、とりあえず、今一番気がかりな92ページの『103万円の‘本当の‘壁』を開く。
四角い枠で囲われた部分が、連載当時のコラムで「八つぁん」と「ご隠居」による落語調の税金談義。コラムの後に解説が続いている。
「103万円の壁」は「パート主婦の問題」ととらえられがちだが、それは「配偶者特別控除」が作られて解消済み。
問題になっているのは、19歳以上23歳未満の子どものアルバイト収入「103万円の壁(特定扶養控除)」だ。
103万円を超えると親は63万円の控除が受けられなくなっていたが、令和7年の税制改正で「特定親族特別控除」が創設されて、子どもが103万円を超えて働いても世帯収入が減ることはなくなるらしい。
「そもそも日本の基礎控除額は先進国の中では一番少ないのだから、経済の状況に応じて、柔軟に税制を変えるべき」との著者の主張はよくわかるが、もう少し本の中身もわかりやすくしてほしかった。
【関連する記事】
- 『仕事ができる人になる 図解の技術大全』
- 『社会保障のトリセツ』
- 『ほんとうの日本経済 データが示す「これから起こること」』
- 『基軸通貨 ドルと円のゆくえを問い直す』
- 『つくる仕事の一日』
- 『ずるい!ChatGPT仕事術』
- 『外資系コンサルが×AIのプロが教える 生成AI時代の「超」仕事術大全』
- 『ChatGPT攻略』
- 『実家スッキリ化』
- 『仕事でSNSを使いたいけど初心者の「やらかし」が怖いので弁護士さんに気になるこ..
- 『「AIクソ上司」の脅威』
- 『スピードも質も上がる!一生役立つ仕事術100』
- 『暮らしのヒント集3』
- 『インフレ・ニッポン』
- 『省エネのプロが教える みんなの節電生活』
- 『「国の借金は問題ない」って本当ですか?』
- 『ウクライナ・ショック 覚醒したヨーロッパの行方』
- 『すぐやる人のビジネス手帳術』
- 『最新版 定年までに知らないとヤバイお金の話』
- 『キーワードでまるごとわかる投資の教科書』