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2025年08月22日

『移動と階級』

毎年、お盆になると増えるのが大勢の人が田舎に帰省したり、海外旅行に出かけるニュース。うらやましいなあ……と思いつつ、ニュースをながめている。

夫も私も出身が大阪で、実家も墓も大阪にあるため、「田舎」というものがないが、できればお盆期間中の移動は避けたい。
お盆前後は新幹線や飛行機の割引率が低いし、車での移動は渋滞に巻き込まれる。
旅行先では食事や宿泊に「お盆料金」が加算されて高くなるからだ。

この本の著者は立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員。専門は地方移住政策史。
本のテーマは「移動格差」。
鉄道や飛行機、自家用車にしても、移動にはお金がかかるし時間もかかる。
思いつきで即座に移動できる人はお金と時間に余裕がある階層の人だ。

著者が行った「移動」に関する全国アンケート調査(有効回答数2,949名)結果は非常に興味深い。
回答者の67%が「移動の自由をめぐる差は存在する」とし、46%の人が「自分は自由に移動できない人間だ」と答えている。
この場合の「移動」とは買い物・通学・通勤・観光・帰省・出張・単身赴任・引越し・移住・留学など、幅広い範囲の「身体の移動」をさしている。

2023年10月〜2024年10月までの「過去1年に居住都道府県以外の土地に旅行に出かけたことがない」と答えた人が3人に1人。
「都道府県境を越えて移動する決定権がない」と答えた人は女性が多かった。

全体的に、所得が多いほど移動費用が多く、距離も遠く頻繁に移動できて、より所得を増やせる機会が多い。
女性・子ども・高齢者・障害者などに「自分は移動の自由が制限されている」と考えている人が多かった。

私も介護が理由で東京で仕事をする話を断るはめになってチャンスを逃したことが多く、「収入が多い若い人ほど移動しチャンスに恵まれる」というのは実感している。
しかし、今は月に1回程度東京に飛行機で出かけられる資金があり、リモートワークできる環境が整った。あとはやる気だけかもしれないな。


『移動と階級』 伊藤将人 著 講談社現代新書
ラベル:お金 読書
posted by ゆか at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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