図書館のレファレンスサービス(利用者の調べ物をサポートする業務)を、「身近なもので線香花火を作る方法とは」「干支を英語で説明したい」など、利用者の質問の事例をあげて解説。
質問から調査結果の回答にいたるまでを、図やイラストを交えてわかりやすくまとめている。
司書独自の発想や、正確で迅速、体系的な調査技術は、非常に参考になるものだ。
図書館司書志望の私は、事情があって司書になれなかった(詳細は『なりたかったもの、なってしまったもの。』)が、身につけたレファレンス技術は執筆活動に役立っている。
だが、残念ながら、私の市の図書館では、レファレンスサービスは行なわれていないようだ。
私は、この20年、週2回は図書館に通っているが、窓口職員がレファレンスをしているところを見たことがない。
そこで、窓口職員に「減塩料理の本には、どんなものがあるでしょうか?」とレファレンス依頼をしてみた。
減塩料理の場合、健康志向の「料理」、医療の「栄養学」の両方から考えるのが基本だが……
若い女性職員はただ一言、料理の本の棚の位置を示しただけ。
これはレファレンスではない。
私は絶望した。
本の陳列や貸し出し処理だけに汲々とする図書館職員。
こんなものになるために、私は努力していたのだろうか……。
後に、新聞記事で『レファレンスクラブ』を知った私は、そこで本物の司書たちと出会う。
「この世のどこかに、利用者にレファレンスを行なう、誇りと使命感に満ちた司書たちがいる」……
そのことは私を安堵させた。
現在、全国の自治体は「図書館は無料本棚」と考え、司書の削減をしているが、図書館は、もっと「レファレンスサービス」を前面に出すべきだ。
優れた情報検索技術者が職を追われていくのは見るに忍びない。
『図書館のプロが教える(調べるコツ)』 浅野高史+かながわレファレンス探検隊 著 柏書房
ラベル:図書館
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