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2007年08月28日

夫の居場所

先日、「日常生活上質化計画」の5年越しの懸案が、ひとつ解決しました。(「日常生活上質化計画」の詳細は、『ロングセラー・デザイン 文房具から椅子まで』

リビングのソファベッド。

常にシートを倒したベッド状態。
夫は座って酒を飲んだり、パソコンをしたり、クロスワードパズルを解いたり、寝転んでくつろいだり……。
いつもテレビはついたまま。
夫の本やビデオやDVDも、どんどん増え、すっかり「巣」状態。

私も、ヒマがあると、いつも寝室兼書斎にこもって、ずっと音楽を聴きながら、読書や原稿書きをしているので、夫のことを笑えません。

世間の家庭では「男の書斎」は憧れの的。
我が家の場合「男のリビング」。

……面倒ですが、家の中のどこかに、夫の居場所を作っておかないと。
バーやスナックや小料理屋や、よその家に居場所を作られては、もっと面倒なことになりますから。

この夫の居場所の中心、ソファベッドが寿命に。
いつも同じ場所に座るので、中身のウレタンが破れてバネが飛び出し、お尻に当たって痛い。いよいよダメか……

夫がいつも座っている場所が、へこみはじめた5年前から、家具屋で同じソファベッドを探していたのですが、見つからなかったのです。
「ソファ」か「ベッド」ばかりで、「ソファベッド」そのものが少ない。
座り心地がわからないので、通販では買えませんし。

愛用のソファベッドは、紺青の地に緑の小花柄。繊細なジャガード織。
ふっくらとした優美な曲線を描くシート。
アームや背もたれなどに角ばった部分はまったくありません。
コイルスプリングとウレタン入りのクッションは、座ると体重を優しく受けとめる。……

このソファベッドを買ったのは17年前。私の結婚直前の頃。
新家庭用の家具購入ということで夢が広がり、一生懸命カタログを見たり、家具屋を回ったりしていたのです。

母と出かけたデパートの家具売り場。
紺青のソファベッドを見つけました。

「スペイン製、現品限り。12万円」の値札を見た母は、「これでいいんちゃう?」と言い、私も「これでいいんちゃう」と答えて、そのまま買ってしまいました。
二人とも、結婚準備の買い物で、大荷物を抱えて疲れ気味。頭がぼうっとしていたのです。

その当時は、「ソファベッドに12万も! あほか!」と、いろいろな人に呆れられましたが……
お客様には、「座り心地がいい」と大好評。
リラックスしすぎて、寝そべる人が続出。
このソファベッドには「人を過剰にくつろがせる」……そんな魔力があるらしい。

夫とも、新しいソファベッドを探しに家具店に出かけてみたのですが……。

「合皮は暑苦しい」
「ウレタンだけのは、すぐへたる」
「角ばったアームは、寝たら、頭上がってしんどい」
「背もたれ倒すタイプやないとあかん。座面引き出すのは寝にくい」
「大きいやつは部屋狭なる」

……うるさくて仕方がない。

実は、夫が「ソファベッド」と出会ったのは、このソファベッドが最初。
夫の頭の中では、スペイン製ソファベッドが、「基準」になってしまっているわけです。

「いっそ、ベッドを置くってのはどう? いつもベッド状態なんやし」
「あほ! 客が来た時、かっこ悪いやんか」

……難儀なことになったなあ。

考えながら自転車で買い物に出かけると、偶然「椅子張替え」の看板を見つけました。
張り替える手もあるか……
店の中に入って、椅子のカバーを剥がしていた、店主らしき年配の男性に、声をかけてみました。

「スペイン製のソファベッドは、張り替えられますか?」
「スペインのは初めてですが、たぶん、中身詰めて5万程度で1週間。できると思います」 

3日後、張り替え屋の店主に、見積もりに来てもらいました。

「背もたれをいったん前に倒して変形……こういう形、初めて見ますわ。しかし、生地といい、布の端の始末や作りといい、かなりしっかりしてますね。高かったでしょう」

「17年前に12万でした」
「17年前!」

店主は絶句しました。
普通、ソファベッドは5、6年で寿命とのこと。
普通はソファをベッドに変形させる金具が、最初に壊れるのですが、ほとんどベッドの状態で、しかも、カバーをかけて使っていたので、3倍の寿命を保っていたようです。

中を見てもらいましたが、日本にない特殊な金具を使っていて、その部分が折れてバネが飛び出しているので、残念ながら修理不可。

「お役に立てなくてすみません。いいものを見させていただいて、勉強になりました」

実直そうな店主は、「次は国産で同じランクのものを」とアドバイスして帰りました。

……さあ、大変。張り替えできないとなると、なんとしてもソファベッドを探さなければ。

とりあえず、ソファベッドとソファについて調べてみました。
ソファベッドは、構造上「ソファに、折り畳み機能やリクライニング機能の金具がついたもの」なのです。

『sofa.com』サイトによると、ソファの構造は、木枠フレームに補強剤のPPテープを張り、衝撃吸収剤の上に硬めのチップウレタン、その上にウレタン材をかぶせ、最後に張り地を張ったもの。

張り地素材は牛皮革、合成皮革、ビニールレザー、布など。
衝撃吸収材は、コイルスプリング、S字スプリング、力布(ベルト)など。
理想的な弾力があるのはコイルスプリングですが、現在最も多く使用されているのは、ウェービングベルト。

高級家具イメージの『IDC大塚家具』サイトによると、衝撃吸収剤のバネの種類も重要ですが、ウレタンの密度も重要。
密度の低いウレタンはきめが粗く、食パンのようにふかふかした感触。
密度の高いウレタンはきめが細かく、モチのようにもちもちした感触。
長時間座るには、やや硬めの方がいい……

ソファベッド選びの基準が、だいぶはっきりしてきましたね。

IDC大塚家具、西日本最大規模の「大阪南港ショールーム」が、大阪市住之江区にあるので、入会申込書(会員制です)を印刷して、翌日、夫と出かけてみました。

家具の種類別にフロアが数階に分かれた、とても広いショールーム。
専任の担当アドバイザーがお客一組に一人ついて案内し、商談の合間には、冷たい麦茶が出たりする。
こういう環境で、家具を買うのは初めてです。

さすがに大塚家具。「ソファベッドコーナー」がある。
女性担当者の案内で、エスカレータで別フロアへ。
20台ほどあるソファベッドの中の1つに、私と夫の目は釘づけ。

うちのとそっくり……

張り地はベージュの合皮ですが、形や寸法が、まったく同じ。
中身はコイルスプリングと上質ウレタン。
座り心地は、前よりやや硬めですが許容範囲。
国産品で94290円。
「家庭の平和」のためには、この程度の出費はやむをえないでしょう。

張り地を、合皮から布に張り替えてもらうことにして、今、新しいソファベッドが届くのを待っているところです。

「日常生活上質化計画」……このように、ゆっくりですが、確実に進んでいます。
posted by ゆか at 14:34| Comment(1) | TrackBack(0) | 日常コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして。
何気なく「ブログ 古武術」で検索しまして此方のブログにたどり着きました。

自分も昔、合気道を5年ほど学んでおりました。流派は養神館ですが。現在は中国武術を中心にあれこれと遣っております。

ご主人とのやり取りや合気道についての想いなど楽しく拝見させて頂きました。

書き続けるのは大変だと思いますが、頑張ってください。今後も楽しみにしています。
Posted by saimon at 2007年08月31日 20:13
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