気になるので、この本を読んでみた。
著者はゲームクリエイターで、立命館大学映像学部教授。
ファミコン時代から子供の心をつかむゲームを製作して来た人。
本家アメリカのテレビゲームを凌駕し、世界中でヒットしている日本のテレビゲームには、2つの不文律があった。
「誰でも、取扱説明書を読むことなく、ゲームを始められる」。「誰でも、遊んでいるうちに、ゲームにハマってしまい、ゲームが上手くなっていく」。
……「子供向け商品」ゆえに、操作性が重視された結果、「わかりやすく、人を夢中にさせる技術(ゲームニクス)」が、高い製品が作られるようになった。
ゲームだけではなく健康維持や学力増強にまで可能性を広げた「ニンテンドーDS」。
テレビからのネット接続を劇的に単純にした「Wii」。
介護の分野で活躍するナムコのリハビリ機器「ドキドキヘビ退治RT」。
最近のヒット商品、iPod、Mixi、Googleなども「使いやすさの追求」
「何をすればいいのか迷わない仕組み」
「熱中させる工夫」
「「現実とリンクさせて、リアルに感じさせる」。
ゲームニクス要素が高いと解説。
ハード面の技術革新による開発競争は、すでに限界。
多機能・多様化のサービス提供も、このまま技術革新だけが進めば、難解な操作で、誰にも使えなくなる可能性が高い。
「人と技術をつなぐ、わかりやすく、使いやすいインターフェイスが必要」……「ユニバーサルデザイン」や「Webユーザビリティ」の思想にもつながる「ゲームニクス」。
「利用者の立場に立った使いやすさ。人を夢中にさせる技術」を、体系化させた著者が行き着いたのは……日本古来の「もてなしの文化」だった。
この日本独自の文化にこそ、世界的な競争にさらされる日本のものづくりやサービスが、他国よりぬきんでる鍵があると著者は説く。
過去の日本を、じっと見つめると、「日本の切り札技術」、まだまだありそうだ。
『ゲームニクスとは何か』 サイトウ・アキヒロ 著 幻冬舎新書
ラベル:ゲーム
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