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2007年09月11日

足りない!!

このたびの信毎ホームページ大賞一次審査落選。
皆様、がっかりさせて、申し訳ありませんでした。

最近、実家に行くたびに、「ええかげん、金にならんような、そんなこと(『ventus』の更新)しとらんと、ちゃんと賞獲るとか、本出すとか、地に足のついたことをせなあかんで」と、母に迫られたりして。

子供の時から、本の読み聞かせをしてもらい、好きなだけ本を買ってもらったりしていましたから。
母の気持ちもわかるのですよ。

「確かに、このままじゃ、いかんよなあ」……今回の落選は、そんなあせりの結果。

今までの公に出した作品……

古文・漢文・現代文の完全融合に成功した幻想小説『玄象(げんじょう)』。
日本アレルギー学会の喘息予防治療ガイドライン改定に、一石を投じた『アレルギーと生きる』。
天才アスリート・人見絹枝のライバルだった祖母、ハンナ・オコンネルの60年ぶり名誉回復に成功した『祖母ハンナ・オコンネルと私』

……それぞれが、ある程度の実績を出しているのに、この『ventus』ときたら……。

スタートして3年目なのに、いまだに実績も出せず、「書籍化」の目標を掲げているけれども、今のところ、オファーもなく、来るのは自費出版系の情報ばかり。

……ひょっとして、『ventus』は、才能の浪費なのか……
時々、不安が頭の中をよぎります。

ところで、『信毎ホームページ大賞2007』サイトによると、今回の第1次審査は、事務局を中心とした10人が担当。

『テーマの面白さ・独自性、更新の頻度、作品を通じた交流の広がり・盛り上がり、サービスの充実度、利用のしやすさ―などをポイントに選考しています』……

ふうん。10人が仕事の合間に、半月で、453のサイト、すみからすみまで、きちんと目を通して審査できたのでしょうか。
審査員の数と審査期間、応募作品数を考えると、トップページを見るだけで精一杯だったのでは?

『ventus』がひっかかったのは、「更新の頻度」。
「作品を通じた交流の広がり(コメント・トラックバックの数)」。
「盛り上がり(アクセスカウンターの数)」でしょう。

確かに、更新の頻度は、一般のブログほど多くありません。
更新の頻度とアクセス数は比例しますし、「コメントやトラックバックは人気のバロメーターだから、スパムであっても削除せず置く」というサイトも多いですが……。

『ventus』には、アクセス解析コラムがあるので、アクセスカウンターは必要ありません。
リンク先は、『ventus』よりもレベルの高い、尊敬できるサイトを厳選。

来訪者の皆様に、安心してコラムを楽しんでいただくために、スパムや有害サイトからのトラックバックは、すべて削除。
まあ、「普通のブログと違って、コメントを入れるのは、敷居が高い」とも言われているのですが……

そのことが、「交流の広がり、盛り上がりに欠ける」と判断されたようですね。

おそらく、審査員全員が、『ventus』の200以上あるコラムを、すべて熟読した上で、「島村は、私用ネット禁止の職場で働き、家事と執筆と合気道と遠隔介護を抱えていて、ブログを週2回しか更新しない。怠慢で、けしからん。文章は下手で視点も凡庸だし、読む価値もない」と判断したわけではないでしょう。

つまり、今回の評価は、「見解の相違」。
しかし、更新日を限定し、高レベルのコンテンツを継続して更新する「ventusスタイル」のブログが認知されるまでには、時間がかかりそうですね。

最近、私の参加している『にほんブログ村』(ブログ専用ポータルサイト)では、「更新を週末のみ」に限定するブロガーが増えています。
そうしなければ、時間が足りなくて、ブログを続けられないからです。

私が『ventus』を開設した2005年当時、総務省の統計では、ブログの継続更新率は3割以下。

ネット上で情報発信。
できるだけいいものを発表したい。
でも、仕事が忙しい。
ネットで他のサイトも見たいし、ゲームもトレーディングも、ショッピングもオークションもしたい。
ああ、時間がない。
読む人が待っているから、更新しなきゃ。
でも時間がない。
しんどい。……

多くの優れたブログが、更新が間遠になり、消えていくのを、私は見ました。

「仕事をしながら、他の執筆活動もできる余力を残して、一定レベルの文章を書き続けたい。でも、私の書くものは内容が濃いから、どうしても、読者はコラムを読むのに、時間がかかってしまう。それに、これからは、読者もネット上ですることが増えて、どんどん忙しくなるから、こちらが毎日更新しても、毎日見に来るのはしんどいと思う。お互いに、最も負担がない方法は」

……その結論が、「更新日を限定、パターン化し、来訪者の方には、空いた時間に、自由に、好きなコラムを読んでいただく」……現在の形。

現在でも、私的ネット接続時間は、年齢、職業によって、かなり差があります。
例えば、タクシー運転手、看護師、販売員、調理師などは、勤務中に私的にネットを使えませんね。 

私が職場で使うパソコンは、個人情報漏洩防止のために、イントラネットから外に接続できない設定。
個人情報保護、法令順守、内部統制の強化は、時代の流れですから、今後、どの企業でも、勤務時間中のネットの私的接続を、規制すると思われます。

長時間、私的ネット接続ができるのは、マスコミ関連企業やIT産業など、ほとんどの仕事をネット上で行なう業種の人々や、勤務時間を自分で裁量できるフリーターや自営業者。
余暇の多い学生や専業主婦、高齢者……限られた人々になるでしょう。

これまでは、パソコン知識の有無が格差を生み出す「デジタル・デバイド」が、問題になっていましたが、パソコン操作が簡単になりましたから、今後は、「タイム・ショーテイジ・デジタル・デバイド」(時間不足による情報量格差)が、問題になると思います。

人間の持ち時間は、24時間だけ。
もし、情報収集能力が同じなら、1日5時間、私的にネット接続できる人と、1時間しかネットを使えない人とでは、大きな情報格差ができる……

この問題が表面化するのには、まだ時間がかかるようですが。
対策は、情報検索能力を高めることと、自分にとって何が一番大事か、情報を、どこまで知る必要があるかを、はっきりさせること。

先日、『レファレンスクラブ』のマスオさんから、私立大学図書館協会の『企画広報研究分科会』サイトの『パスファインダーバンク』をご紹介いただきました。

パスファインダーは、ある特定のトピックに関する資料や、情報を収集する手順を、簡便にまとめた情報探索ツール。
それを集めたサイトが、パスファインダーバンク。

パスファインダーは答えや探索結果だけではなく、答えにたどりつく過程も表示。
ただ大量に情報を集めるのではなく、短時間で効率よく、体系的に、必要な情報だけを集める方法を学ぶこともできます。
おかげさまで、情報収集面はなんとかなりそうです。

「毎日更新しないから、毎日サイトに見に来なくてもいい。トップページの記事を強制的に読まされることもない。空いた時間に来て、自由にコラムを選んで読める」

……そのスタイルが、来訪者の皆様や支援者の皆様のご支持を受けて、現在まで『ventus』は続いてきました。

これからも、がんばりたいと思います。よろしくお願いします。
ラベル:時間
posted by ゆか at 14:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
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