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2007年10月13日

『伝統の逆襲』

「メイド・イン・ジャパン」
 
……安い中国製品に押され、輝きを失った日本製品。

著者は工業デザイナーで、グッドデザイン賞選考副委員長。
アメリカのGM、ドイツのポルシェ、イタリアのフェラーリのデザインを担当。
現在では、福井県鯖江市の眼鏡メーカーと共同で「KEN OKUYAMA」ブランドを、地元山形市で木工家具や鋳物を製造する「山形工房」を立ち上げ、日本の地場産業の再生を目指している。

世界中で車のデザインをしてきた著者には、日本の製造業の弱点が、よく見えるようだ。

「自分」をよく知っていて、こだわりが強いが冒険しない……イタリア。
不器用なため、時間をかけて精緻な製作機械を作り、製品を大量生産する……ドイツ。
ホワイトカラーが計画立案。ブルーカラーは計画通りに製品を量産……アメリカと中国。

国際的な価格競争に押されて、今失われつつある日本の強みは、

「生産しながらの技術開発。現場(ブルーカラー)が自ら製品の改善を重ねること」。
「ユーザーに対する想像力」。
「質の高い技術を持つ寡黙な職人」。

……まず、その認識からはじめなくてはいけない。

著者は「日本が舵をとるべきなのは、価格競争ではなく、価値競争」と喝破。

解決策として提唱しているのは、

「商品開発のサイクルが技術開発の速度を上回る現状に合わせ、短期サイクルの消耗品を量産する狩猟型ものづくりから、5年先を見すえて技術開発する農耕型ものづくりへの転換」。
「大企業が自社内や系列に抱え込む、専門技術を持つ中小企業を開放し、フレキシブルな関係で、中小企業の新鮮な発想や技術を得ていくこと」。
「良心的で質の高い技術者には、その技術に見合った報酬を与え、技術の継承をすすめること」。

5年先を見つめての技術開発には、明確なビジョンと勇気ある決断が必要になるが、これが、現在の日本企業にとって、一番難しいことかもしれない。

『伝統の逆襲』 奥山清行 著 祥伝社
タグ:日本製
posted by ゆか at 09:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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