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2007年11月10日

『気分はもう、裁判長』

「あなたも裁判官」。……最近話題の裁判員制度。
選挙人名簿から無作為に選んだ市民を、重大犯罪の裁判に参加させて、判決に公正さを求める制度だ。

『日弁連』サイトによると、2009年5月までにスタートするこの制度、裁判員を辞退できるのは、70歳以上の人、会期中の地方公共団体議会の議員や学生など。
同居親族の介護などの事情なら辞退できるが、「仕事が忙しい」では辞退できない理不尽な話だ。

プライバシーは守られて、日当と旅費は出るそうだが、日当が、ものすごく安かったらどうしよう。
被告人や証人に質問したり、量刑を審議したり、数日がかりの面倒な作業になるらしいし。

……とりあえず、裁判所からの突然の呼び出し状にあわてないように、雰囲気だけでも勉強することにした。

この本は、中学生向けヤングアダルト新書シリーズの一つ。
「中学生に、裁判所の中で何が行なわれているか、わかりやすく説明する」という設定で書かれたもの。
字が大きく、漢字にルビが振ってある。

随所に漫画をはさみこみ、「公判の流れ」「保釈金の謎」「被告人の服装」「無期懲役の長さ」などの興味深いコラムもあって、読者を飽きさせない。

著者は「裁判の傍聴が趣味」のフリーライター。
強盗、詐欺、強制わいせつ事件、離婚裁判など、おどろおどろしい内容の裁判を淡々と、しかも温かい視線で描いている。

『裁判は、人間が法律という道具を使って人を裁くもの。裁判長も被告人も検察官も弁護人も、みんな同じ人間なのだ』。
『完全な人間なんて、この世にいない。だから完全に正しい判決というものもない』

……多くの裁判を見てきた著者の言葉は重い。
この本を読んで、私は、自分が人を裁けるのか自信がなくなってきた。

裁判員制度では、裁判官3人と裁判員6人で一つの裁判を審議するが、世間の犯罪の発生率を考えると、かなり高い確率で「裁判員認定」がふりかかってきそうだ。

……どうか裁判員に選ばれませんように。

『気分はもう、裁判長』 北尾トロ 著 理論社
タグ:裁判
posted by ゆか at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 本読みコラム | 更新情報をチェックする
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