この年代の若者は、主婦や自営業、サラリーマンの他に、NPO、起業家、大学院生、フリーター、ニートなど多彩だが……この本では、あえてサラリーマンを選択した若者を取り上げている。
「何かが違うんですよね。今の仕事は合わないと思う。でも、やりたいことも見つからないし」
インタビューを受けた若者の言葉は、心に突き刺さる。
「何のとりえもないし、もう年だし、子供もいるし、こんな仕事しかないよね」
更衣室で暗い目をして語り合う主婦たち。
「今年、就職ですけど。会社で自分のやりたいことが本当にできるのか、自信ないんです」
合気道の道場で出会う、思いつめた表情の若い女性。
みんな「好きなことを仕事にして、成功しなければならない」と追い詰められている。
私自身、一番なりたかった職業には不採用になり、長い間、そのダメージを引きずり続けていたが、結局、「自分の性格に合った仕事」をして、時々「やりたいこと」をやって人に評価されるという人生に落ち着いた。
これから時代の流れはますます速くなり、「一番やりたいこと」を仕事にしているつもりでも、今とまったく違う形の「もっとやりたい仕事」が現れるかもしれない。
その時、その「もっとやりたい仕事」にうまく乗り移れるだろうか?
現時点の自分の可能性だけで、先の人生をすべて決めてしまうのは危険だと思う。
昔の言葉には「二足のわらじ」「道楽」「玄人はだし」などいい言葉がある。
もっと余裕を持ってみてもいいのではないだろうか?
『U35世代〜僕と仕事のビミョーな関係』 サントリー次世代研究所 編 日本経済新聞社
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