今回は手帳の歴史をさかのぼり、「手帳とは何か」を模索している。
日本初の手帳は、1879年(明治12年)、大蔵省(現財務省)が発行した「懐中日記」。
太陽暦の採用と同時期に現われたのが興味深い。
そして旧日本軍発行の「軍隊手帳」。
この2つの官製手帳の特徴……「手帳を発行した共同体への帰属感覚の強化」、「掲載された規範を守らせる意識の強化」。
これを引き継いだのが、年玉(ねんぎょく)手帳(企業や官公庁が毎年発行し社員や取引先に配る手帳)。
長い間、手帳とは「もらうもの」だった。
ところが1984年、イギリスからシステム手帳「ファイロファックス」が上陸。
人々が「自分で時間管理するための手帳を選ぶ」時代に入った。
1990年代の平成不況に年玉手帳は衰退。
21世紀に入ると、起業家など、有名人の時間管理術の紹介つき手帳がベストセラーになる一方、「自分で目標設定、スケジュールを組み立てる」時間管理色の強い市販手帳が文具売り場にあふれ、携帯電話、パソコンなどで時間管理をする人も増えた。
この本では、「手帳は時間管理の道具」と定義。
『手帳の選び方チェックシート』、手帳を変えたらペンを見直すこと。
手帳関連書の分類、スマートフォンの使い方。
メモのデジタル化、手帳の便覧をネット検索で代用。
パソコンでスケジュールを入力し、Webツールを使って、携帯電話で閲覧編集する方法。
手帳を100冊集めた写真と簡単な解説がついた「手帳百冊の小宇宙」など、面白い企画もたくさんあるのだが……
読んでみて、自分がどんな手帳を選び、どんな使い方を選んでいいやらわからなくなった。
だが、この本には、手帳やその使い方を選ぶ、はっきりした基準が書かれている。
『逆に、「なんだか面倒くさそう」とか「難しそう」と感じたら、その直感は正しい』
……この基準さえあれば、なんとか自分に合った手帳の使い方を探せそうだ。
『手帳進化論』 舘神龍彦 著 PHPビジネス新書
ラベル:手帳
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