夫は「いい年して。誕生日いう年でもないやろ」とうそぶいていましたが。
「ああ、そういうこと言うんか。……母と妹は、プレゼントをくれたのになあ」
「……なんか、食べに行くか?」
急に弱気になる夫。
今年のプレゼントは母からコート代、妹からは「合気道の黒帯代の足しにして」と現金。
ちなみに、去年の妹のプレゼントはiriver。
「誕生日おめでとう。iriver、これで通勤の時に音楽聴いてね」
「……え…しまった。おととい新型のMD買ってしまった……」
妹と私の間に流れる気まずい空気。
しかし、せっかくもらったものだし……使わないと妹に悪いし。
……とりあえず、持って帰ったiriverの箱を、テーブルの上に置いていたら、夫が帰宅。
「おっ、iriverか。ええなあ」
「妹の誕生日プレゼントやけど。iriverが何か知ってるの?」
「当たり前やないか。……お前MD使ってるやろ。これ、使わんかったら俺にくれ」
結局、iriverは夫に。
好きな曲を録音して、通勤の時に楽しんでいます。
妹も「義兄さんが、喜んでるなら、それでええわ」と納得。
夫は、時々私がもらったものを横取りする(『甥から伯母へ』参照)のですが、機嫌がよさそうだし。
これも家庭の平和のため。
ここ数年、母の誕生日には、事前に母の希望を聞いて、姉妹で分担してプレゼントを贈り、私と妹は誕生日に現金や商品券を贈りあったりする……そんな年が多くなりました。
合理的ですが、味気ないですね。
上手なプレゼントは、なかなか難しい。
だからこそ、O.ヘンリの『賢者の贈り物』(貧しい夫妻がお互いに相手にクリスマスプレゼントを買おうとする。妻は、夫の金の懐中時計を吊るす鎖を買うために自慢の髪を売ってしまう。夫は妻に鼈甲の櫛を買うために、自慢の時計を質に入れていた)が、今も多くの人の心をとらえるのでしょう。
ところで、12月生まれの弱点は、誕生日とクリスマスプレゼントが兼用になってしまうこと。
なんだか、すごく損しているような気がします。
『価格.com』が、2007年11月、会員の男女2623人に行なったアンケート「もらいたいクリスマスプレゼント」では……。
男性の1位が腕時計、2位がデジタルカメラ、3位がパソコン関連、4位が特にほしいものはない。5位テレビ映像関連。
女性の1位がアクセサリー、2位がバッグ、3位がパソコン関連、4位が洋服。5位が旅行。
……男女とも上位15位以内に「現金」はないなあ。変なのか。私たち姉妹は。
男女とも「パソコン関連」が上位にあるのは、ネット検索が好きな、値段に厳しい消費者の集まる『価格.com』のアンケートだからでしょう。
気になる予算は、意外と堅実。配偶者1万円以内、恋人3万円以内、子供5千円以内、友人3千円以内の回答が主流。
自分には1万円……「がんばった自分にご褒美」という人が多いようです。
でも、このアンケート男女比が男性77%、女性23%だから、もっと女性の回答が多いと、もっと予算が高くなっていたかもしれませんね。
それにしても、男性の4位……「特にほしいものはない」は、なんでしょうね?
クリスマスを待つまでもなく、ほしいものをほしい時に買っているということなのでしょうか?
それとも「男の見栄」か?
それとも、「愛」とか「健康」とか、クリスマスプレゼントに、あまりふさわしくないものがほしかった人々なのでしょうか?
……謎だなあ。
だからと言って、「インターネットのアンケートじゃ、ほとんどの男の人は「特にほしいものなし」と答えてるから、今年のプレゼントはなしね」なんて、彼氏やご主人に、いけず(意地悪)なことをしてはいけません。
私は、駅まで自転車通勤している夫のために、夫の好みを聞いて、上質な手袋をプレゼントしようと思っているのですが……
「それより現金くれ」と言われたら、どうしよう。
愛読誌の『リアル・シンプル・ジャパン』の『5000円まで厳選ギフト50』特集を見ていると……
女性向けにファーのマフラーや、おしゃれなオフィス用ひざ掛け。
男性には世界のビールコースターや、上質な布のブックカバー。
子供(自分の子供、甥姪、友達の子供)にはマーキング地球儀や、ザ・コンランショップの砂遊びセット……
ちょっとおしゃれなのに、自分で買うことを思いつかないものが紹介されています。
もらった人は、さぞ驚いて喜ぶでしょう。
考えてみれば、贈る側にも「贈る楽しみ」があるのですが。
ついつい失敗が怖くて、相手の好みを聞いてしまったり、「現金またはギフト券」になったりしてしまいます。
賢者の贈り物……心から相手に喜ばれるセンスのいいプレゼントは、本当に難しいものです。
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