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2005年10月29日

着ぶくれろ!

10月も終りに近づき、私の住む地方もようやく秋になってきました。デパートやスーパーでは、秋物の薄手ウールのセーターやベストが店頭に並んでいますが、「ウォーム・ビズに」のポップがつけられているのが、去年とは違うところ。

クール・ビズの成功で調子に乗った環境省は、今度はウォーム・ビズ・キャンペーンを展開。
「暖房は20度まで。男性は背広の下に、ベストやタートルネック・セーターを着込み、女性はスカートよりパンツを」
確かに暖房を控えると、夏の4倍の二酸化炭素削減になるそうですが、「スカートよりパンツを」は余計なお世話でしょう。
スカートに保温高機能タイツにブーツの組み合わせは、実は意外に暖かいのです。

Web版読売新聞10月25日の記事によると、さらに環境省は二酸化炭素1トンあたり2400円税金をかける『環境税』を、2007年1月から実施しようと企んでいるとのこと。
課税対象は電気、ガス、石炭、ガソリン、灯油、軽油など。
ガソリンは1リットル1.52円、電気は1キロワット時0.25円になる予定。
実施されれば、1世帯あたり年間2100円の負担増になるそうです。

なお、ガソリン、軽油、ジェット燃料などは原油価格高騰を考慮して当面徴収見送り……でも、そうすると、車や飛行機など、大口の二酸化炭素排出先が非課税になり、二酸化炭素排出抑制にならないのでは?

環境税の税収3700億円(でもお役人の計算は大抵見込み違いになる)は、全額地球温暖化対策にあてる……そうですが、「福祉のため」という名目でできた消費税が、うやむやのうちに違う目的に使われたのと同じ結果にならないか心配です。

昔、地元自治体の推薦で、「省」になる前の環境庁モニターの仕事をしたことがありますが、環境庁もやっぱり官僚的で自分の非は一切認めないし、一番肝心のデータは隠したがる。
「省」に昇格しても、内部の人間は同じなので、たぶん、組織の体質はそれほど変わっていないでしょう。

それに地球温暖化対策と称して、変な啓発パンフレットを山ほど印刷して再生紙の無駄遣いをしたり、啓発用の意味のない施設を建てて電気や水を浪費したり……そんな無駄な税金の使い方をするかもしれない。
大体、国や自治体は、何かと言えば啓発用ポスターや標語を募集するけれど、あれが本当に役に立っているのかは疑問です。

どうせ使うなら、家庭用太陽電池の普及や低公害車の技術開発の助成など、そういう有意義な使い方をしてほしいですね。

クール・ビズ、そして、ウォーム・ビズ。
リサイクル政策があまり進んでいない中での、このキャンペーンの異常な盛り上がりの真相は「二酸化炭素排出削減」を口実にした企業の光熱費節約運動ではないかと思います。

ところで我が家では暖房費節約のため、一昨年秋からフリースの部屋着を導入しました。
原油価格高騰で、去年よりも光熱費が上がりそうなので、去年よりも厚着することになるのですが、そこに環境税がかかるとなると、再来年はますます着込まなくてはいけない。

なんだか政府に「お前ら着ぶくれしろ!」と強制されているみたいで嫌な感じですね。


posted by ゆか at 10:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
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