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2005年11月01日

侮れぬ地方

「海の力を引き出す」……日本経済新聞10月29日付の特集記事。

今年、福岡県西方沖地震で大きな被害を受けた九州地方ですが、立ち直りは意外に早く、アジアとの連携を目指して、他の地方に先駆けて動いています。

以前から半導体産業が集まる九州地方ですが、世界的な需要増加を見込んで半導体産業が大規模な設備投資をはじめました。
さらに経済発展が進む中国市場に高級車を売り込もうと、自動車産業が九州に生産拠点を移しはじめたのです。
中国・韓国と距離が近い九州で車を生産すれば、輸送コスト節約と早く輸出できるメリットがありますから。

その一方で、韓国の釜山から対馬港へ高級品の穴子、対馬から釜山へ、韓国で珍重されるヌタウナギが船で運ばれ、物々交換に似た形で取引されています。
韓国では人気のない穴子、日本では見向きもされないヌタウナギ。
それぞれが高値で売れて、日本と韓国、どちらの業者にとっても「よい取引」なのです。

他にも、豊富な水産資源を生かして高級魚を首都圏に売り込む業者。
九州新幹線と高速船をつないで観光客を呼び込む屋久島のホテル。
ホークス球団とIT技術を組み合わせて新たなサービスをはじめた福岡ソフトバンク。
「アジアとの交流」をテーマに建てられた九州国立博物館は、最先端の文化財保存修復技術を導入……九州は本当に元気ですね。それに比べて私の住んでいる地方は……

千年以上もの長い間、日本の文化の中心だった近畿地方。
明治維新で文化の中心が東京に移って百年、いまだに意識が東京にばかり向いていている。
でも、人口も所得も東京に及ばない地方ですから、東京に対抗して大型プロジェクトを立てては失敗。損失を税金で埋め合わせる……同じ愚行の繰り返し。

それでも、阪神大震災以前はまだマシでした。
三都(京都・大阪・神戸)が、それぞれ独自のカラーを持っていましたから。
京都人は過去(歴史と伝統)に、大阪人は現在に、新しい物好きな神戸人は未来にお金を使う傾向があり、バランスが取れていたのですが、震災以降の不景気の影響か、すべての地域が「大阪化」して、みんな「今・現在」のことだけしか考えないようになってしまったのです。
実際に神戸や京都の街を歩くと、街の雰囲気が年々大阪と似てきています。

「現在が大事だとダメ」なわけではないけれど、すべてが同じなのはよくない。
全員が「今・現在」だけ見ていると、誰も過去から大切なことを学べないし、新しいものを取り込んで地方独自の未来を切り開くのが難しい……ということ。

物事は、色々な人たちがいて、それぞれが影響しあって、最終的によい方向に向かうものではないかと私は考えています。

最近、ようやく近畿地方も、過去の歴史を掘り起こして、近畿地方らしい未来を作ろうとしはじめたのですが、東京への対抗意識が足枷になっている分、動きが遅い気がします。

そういう意味では、中国や韓国と交流が深い歴史をうまく踏まえて、日本市場に固執せず、東京に対して劣等感を持たず、軽やかにアジアと連携していこうとする九州の人たちがうらやましいですね。

posted by ゆか at 14:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日常コラム | 更新情報をチェックする
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