この界隈は阪急百貨店、阪神百貨店、大丸百貨店。
3つのデパートが隣り合って営業している。
阪急の建て替え、阪神はリニューアル、大丸は増床。
それぞれの百貨店が営業しながら改修工事をしているので、通行止めの場所が頻繁に変わり、人混みをかき分けて目的地に着くのが重労働なのだ。
で、3つのデパートが改修後に繁盛しているかというと、そうでもない。
さらに2011年5月、JR大阪駅前に三越伊勢丹百貨店が開業する。
……梅田の街、たった一箇所に、本当に4つもデパートが必要なのか?
著者は経済・金融ジャーナリスト。
小売・流通業界の激変と、その真相に迫るのがこの本だ。
この本によると
『全国百貨店売上高は1997年以来、13年連続の減少』
『全国チェーンストアの販売総額は2004年から6年連続減少中』
『全国ファミリーレストランの既存店売上高は1997年以降、12年連続減少』
『全国コンビニエンスストアの2010年8月の客単価は568円で21ヵ月連続のマイナス』
……よく、みんな倒産しないものだ。
これらの流通業は、景気低迷・少子高齢化の影響で消費者が「新・下流層」化(「現状維持・超低価格志向」)したのに、高度経済成長時代のままの商売を続けてきたため、苦境に陥ったのだと著者は言う。
梅田の百貨店新築改修ラッシュは、なんとか客を呼び戻すための起死回生の大博打らしいが……
先行きは明るくない気がする。
ところで、2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震で関東・東北地方は大打撃を受けた。
しかも、関東・東北地方の物流が機能しないことが、「物不足」として徐々に全国に波及しはじめている。
ユニクロ、マクドナルド、松屋など、巧みなマーケティングで消費者をひきつけてきた「デフレ勝ち組」企業も、この先はどうなるかはわからない。
とりあえず、一日も早く物流だけでも正常化してほしいものだ。
『内需衰退』 須田慎一郎 著 扶桑社
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