数字が大きすぎて、よくわからない日本の巨額の債務。
『NHKニュース』の特集『どうなる?子ども・子育て支援 コロナ対策 防衛費 令和5年度予算』によると、令和5年度予算は110兆円を超えて、税収だけでは歳出を賄えず、新規の国債発行額は35兆6230億円。
とんでもないことになっている。
ところが、「国債は国の借金。赤字国債を発行し続ければ日本は破綻する」……その理論とは真逆の理論が登場した。
それが、マクロ経済学の「MMT (Modern Monetary Theory:現代貨幣理論)」。
著者の経済アナリスト、森永康平氏が説くMMT理論は、「自国通貨を発行できる国の借金は問題ない」「銀行がお金を生み出す」「税は財源ではない」「ハイパーインフレは起きない」
……確かに、これまでの金融の常識とは正反対だ。
本当にそうなのだろうか?
この本では、対話形式でMMT理論がわかりやすく説明しようと試みている。
日本銀行が「日本円」で国債を発行して、流通する「日本円」の分量をコントロールしているので「国の借金は問題ない」。
銀行が企業や個人にお金を貸した時に「預金」が発生するため「銀行がお金を生み出す」と言える。
財源は国債と税が半々。税には「所得の再分配」「景気の自動安定化」などの機能があり、「財源」と断言してはいけない。
日本銀行が貨幣を発行しすぎないかぎり「ハイパーインフレは起きない」。
仮定形の前提に仮定を重ねるMMT理論。
……読んでいるうちに、頭がこんがらがってきた。
しかし、ここで挫折するわけにはいかない。
意地になったFPは、なんとか最後まで読み終えたが、「MMT理論は、かなり限定された条件でしか成立しない理論じゃないのか」という気がした。
対話形式にし、イラストや表を多用しても、金融用語や金融の公式そのものが専門的なので、一般人が「国の借金は問題ないって本当かな?」と気軽に読みはじめてみても、咀嚼するのが難しい本かもしれない。
結局、国の借金は「問題ない」のか、本当のところは謎のままである。
『「国の借金は問題ない」って本当ですか?』 森永康平 著 技術評論社
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