さらに「消費税減税」や「トランプ関税」など、さまざまな「税」の問題が浮上して混乱を極めている。
「税制度」とはなんなのか……ちょっとわからなくなったので、その成り立ちから調べてみたくなった。
『関税の世界史』に続いて図書館から届いたのがこの本。著者は京都大学公共政策大学院教授。専門は税制度。
とりあえず読みはじめてみる。
驚いたことに日本の課税制度はすでに3世紀には整っていた。
『魏志倭人伝』に登場する「倭国」には、米や絹、労役などの形で税が納められていた。
「租庸調」「戸籍と班田収授法」「墾田永年私財法」……なんだか歴史の教科書を読んでいる気分になってきた。
国民を戸籍登録して完全に税金を取り立てようとする動きは、すでに奈良時代からあったということだ。
ところが、作物を増産しようと開墾を奨励したため、土地の私有化が進んでコントロールが効かなくなる。
そして、商工業が発達する室町時代から、港では船の入港税(津料)、不動産に課税する「棟別銭」や「地口銭」、日明貿易の関税「抽分銭」など、多様な税制度が登場した。
その後登場した豊臣政権が「検地」で土地を正確に測って、所有者に税を課す制度を確立させた。
江戸時代の税は「米」と「貨幣」。大名がそれぞれの所領で独自に運用したため、税制度はさらに複雑になる。
「税は貨幣で納める」とはっきり決まったのは、明治の「地租改正」だった。
『関税の世界史』には「所得税より関税の方が課税しやすかった」というようなことが書かれていたが、国境が何度も変わったヨーロッパやアジアと違い、単一の島国だった日本は所得税課税ばかり熱心だったようだ。
巻末の対談相手は『武士の家計簿』で知られる歴史学者の磯田道史。
「税制度は格差社会を埋めるための所得分配機能として必要」という結論が興味深かった。
税金を納めるのは国民の義務なのはわかっているが、どうか正しい使い方をしてほしい。
『税の日本史』 諸富 徹 著 祥伝社新書
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